種類 | 株式会社 |
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市場情報 |
大証1部(廃止) 8860 1990年12月19日上場 |
本社所在地 |
![]() 〒596-8588 大阪府岸和田市土生町一丁目4番23号 |
設立 | 1974年(昭和49年)4月19日 |
業種 | 不動産業 |
法人番号 | 1120101037457 |
事業内容 |
分譲住宅事業 住宅流通事業 土地有効活用事業 賃貸及び管理事業 注文住宅事業 |
代表者 |
今井光郎(代表取締役会長) 宮脇宣綱(代表取締役社長) |
資本金 |
48億7,206万4千円 (2020年3月31日現在) |
発行済株式総数 |
3,684万9千株 (2020年3月31日現在) |
売上高 |
連結:1203億88百万円 単独:935億13百万円 (2024年3月期) |
営業利益 |
連結:50億2百万円 単独:42億25百万円 (2024年3月期) |
純利益 |
連結:30億88百万円 単独:26億14百万円 (2024年3月期) |
純資産 |
連結:510億04百万円 単独:393億07百万円 (2024年3月期) |
総資産 |
連結:1682億12百万円 単独:1387億93百万円 (2024年3月期) |
従業員数 |
連結:795人 単独:682人 (2020年3月31日現在) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 |
一般社団法人今井光郎文化道徳歴史教育研究会 14.79% 一般社団法人今井光郎幼児教育会 7.50% フジ住宅取引先持株会 5.65% (2016年3月31日現在) |
主要子会社 | フジ・アメニティサービス 100% |
外部リンク | https://www.fuji-jutaku.co.jp/ |
フジ住宅株式会社(ふじじゅうたく、英: Fuji Corporation Limited)は、大阪府岸和田市に本社を置く不動産会社、デベロッパーである。1973年に今井光郎によって創業された[1]。
概要
[編集]近畿圏(主に大阪府、兵庫県、和歌山県)で分譲戸建・マンション等、住宅・不動産事業を行っている。同社の他、賃貸管理を手がける連結子会社1社で企業グループを形成。「分譲住宅」、「住宅流通」、「土地有効活用」、「賃貸及び管理」及び「注文住宅」の事業を行っている[2]。
沿革
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1970年代
[編集]- 1973年(昭和48年)1月22日 - 今井光郎、フジ住宅を創業[1]。
- 1974年(昭和49年)4月19日 - 資本金3,500千円でフジ住宅株式会社を設立。
- 1975年(昭和50年)1月 - 戸建住宅の分譲を開始。
- 1975年(昭和50年)10月 -資本金11,000千円に増資。
- 1977年(昭和52年)4月 - 資本金39,600千円に増資。
1980年代
[編集]- 1986年(昭和61年)3月 - 分譲マンション事業を開始。
- 1987年(昭和62年)9月 - 不動産賃貸事業を開始。
- 1988年(昭和63年)4月 - 施設管理部(17.9.1よりフジ・アメニティサービス株式会社)を設置し、FASS(フジ・アメニティサービス・システム、賃貸物件のメンテナンスサービスシステム)を導入。
- 1988年(昭和63年)8月 - 事業用マンション事業へ進出。
- 1989年(平成元年)3月 - 資本金686,928千円に増資。
1990年代
[編集]- 1990年(平成2年)12月 - 大阪証券取引所二部に上場。資本金2,342,928千円に増資
- 1991年(平成3年)4月 - 資産活用事業を開始。
- 1994年(平成6年)3月 - 定期借地権付住宅分譲事業を開始。
- 1999年(平成11年)8月 - 大阪支社開設。
2000年代
[編集]- 2000年(平成12年)10月 - 資産活用事業部と定借事業部を統合し、土地有効活用事業部を設置。
- 2001年(平成13年)12月 - REIT(不動産投資信託)等の不動産投資ファンド向け賃貸マンション供給を開始。
- 2002年(平成14年)1月 - 戸建住宅を従来の建売から自由設計方式に変更。
- 2003年(平成15年)1月 - 主たる営業地域を大阪府下のほぼ全域と阪神地域に拡大。
- 2003年(平成15年)12月 - 東京証券取引所二部上場。
- 2005年(平成17年)3月 - 東京証券取引所・大阪証券取引所の市場第一部に昇格。
- 2005年(平成17年)9月 - 新設の100%出資子会社フジ・アメニティサービス株式会社に賃貸物件と賃貸管理部門を営業譲渡。
- 2006年(平成18年)2月 - 『お・う・ち・館』を開設。
- 2006年(平成18年)7月 - 公募増資実施。資本金 4,747,220千円に増資。
- 2008年(平成20年)10月 - 100%出資子会社フジ工務店株式会社を吸収合併。
- 2009年(平成21年)6月 - 宮脇宣綱が代表取締役社長に就任。
- 2010年(平成22年)10月 - 注文住宅事業を開始。
企業活動
[編集]表彰等
[編集]2016年(平成28年)1月21日付で経済産業省が東京証券取引所と共同で選定を行う「健康経営銘柄2016」に選定された[3][4][5]。また、おうち館岸和田店の前面歩道が「アドプト・ロード・土生町2丁目」と大阪府から認定された他、2008年(平成20年)8月に大阪府道路協会より「道路功労賞」、2009年(平成21年)10月に泉佐野市の「環境美化善行者表彰」、2011年(平成23年)8月に国土交通省より『平成23年度「道路ふれあい月間」における道路愛護団体等の国土交通大臣表彰』を受賞[6]。
その他
[編集]- 経営理念のひとつに「国家のために当社を経営する」を挙げる[7]。
- 毎月経営理念に関する感想文を全役職員に提出させている[8][9]。
- 法人として、育鵬社教科書採択運動のための「教科書改善と特別基金」の募金に協力している[10]。
- 創業者の今井光郎は、堺市倫理法人会会員[11]。
関連会社・団体
[編集]一般社団法人今井光郎文化道徳歴史教育研究会
[編集]一般社団法人今井光郎文化道徳歴史教育研究会は、フジ住宅の株式配当金を原資として運営され、「日本人として正しい文化・道徳・歴史・教育に関する理解」の促進を理念として掲げる団体である。年2回、日本の為に尽力している個人や団体に助成を行っている[14]。
助成先には、神谷宗幣(現・参政党代表)が取締役を務める「イシキカイカク株式会社」も含まれ、同社には古事記の紙芝居作成や歴史教育動画の作成など目的に、2015年7月から2020年8月の間に計8回・約1,600万円の助成金が支給された[14]。神谷は2017年に今井光郎を結婚式に招待しており、ヘイトスピーチに関する訴訟の際にはSNSで今井を擁護する投稿も行った[14]。
そのほかの助成対象には、杉田水脈元衆議院議員や、右派活動家の藤井実彦、井上和彦、江崎道朗、「新しい歴史教科書をつくる会」、親学普及事業などが含まれる[14][15]。
トラブル・不祥事など
[編集]育鵬社教科書採択推進運動の社員への強要・ヘイトスピーチ
[編集]2015年、在日韓国人の女性社員が、社内で「在日は死ねよ」といった差別的な文言や、韓国人の思考を野生動物に例える内容の文書が繰り返し配布されていたことや[14][16][17]、新しい歴史教科書をつくる会の元幹部らが編集した育鵬社の中学教科書の採択推進運動への協力を社から求められて苦痛を受けたなどとして、社に慰謝料など3300万円の賠償を求める訴訟を大阪地方裁判所岸和田支部に起こした[18][19][20][21][22][23]。会社側は「強要の事実はなく、請求には理由が無い」などと主張していたが[24]、2020年7月、外国人に対するヘイトスピーチに該当すると認定され、賠償命令の判決を受けた[14][25]。2013年には「マンガ日狂組の教室 ―学校が危ない!!―」(大和撫吉作、晋遊舎刊)のコピーが社員に配布された事もあったという[26]。判決後も会社が姿勢を改めなかったため、原告は2020年11月に差別文書配布差し止め命令を求める請求を行った[27]。
2021年11月18日、大阪高等裁判所での控訴審は、賠償を110万円から132万円に増額する原告勝訴判決を言い渡した[28]。控訴審判決では、人種差別撤廃条約の適切な実施を確保する必要性にも言及された[29]。一審で職場環境配慮義務違反などが認められた後にも、原告を「チンピラヤクザ」「クズ」などとする文書が職場内で配布され、これも不法行為として損害賠償の対象と認定された[14]。
2022年9月、最高裁が被告側の上告を棄却し、132万円の損害賠償とヘイト文書に該当する資料配布の差し止めを命じる判決が確定した[14][30][31]。会社は「今後も国家のために経営を行う」とのコメントを出している[32]。
なおこの訴訟の一審では、社長・今井と今井研究会の人間がブルーリボンバッジを「メッセージ性がある」として法廷内では外すよう廷吏に命じられ(法廷警察権に基づく指示。従わなければ退廷)、これを不服とした訴訟も起こされている[33]。
教科書採択アンケート動員疑惑
[編集]また、2015年にあった大阪市立中学校の歴史・公民教科書の採択の参考となった住民らを対象にした市教委のアンケートをめぐり、育鵬社教科書採択推進運動の一環としてフジ住宅による組織動員があった。育鵬社社員が、同社版支持が多ければ採択の可能性が高くなるとフジ住宅に伝え、会長の今井が「大阪市は数多くの教科書アンケートを記入していただければ、育鵬社に採択される可能性が高くなる」と社員に呼びかけ従業員を動員し、従業員が教科書展示場から1200枚超の用紙を集めたとされる[34][35][36][37]。
大阪弁護士会は、育鵬社の教科書採択運動への協力要請が人権侵害にあたるとして、フジ住宅に改善を勧告した。勧告では、教科書を推奨する行動の報告を会長に義務付けたことや、社員の待遇がその行動により差別される可能性、思想・良心の自由が侵害されるおそれを指摘した[38]。
なお、大阪市議会は2016年2月23日、これについて真相究明を求める陳情書を採択している[39]。
「ドラえもん」落書き事件
[編集]2013年、フジ住宅に新築を依頼した住居の基礎に作業員がドラえもんの落書きをしたとして、契約を結んだ男性がフジ住宅に対し損害賠償を求め大阪地裁に提訴した事件。2018年8月にフジ住宅側が男性に対し、30万円を支払う内容で和解した[40]。
広告キャラクター
[編集]- 過去
- 東出昌大( - 2020年1月)
提供番組
[編集]脚注
[編集]- ^ a b 「沿革」、企業情報、フジ住宅。
- ^ 「有価証券報告書」 (PDF) 、フジ住宅、2015年3月31日。
- ^ “健康経営銘柄にアサヒや大和など 経産省・東証が選定 25社一覧”. 日本経済新聞. (2016年1月21日) 2016年6月30日閲覧。
- ^ 「「健康経営銘柄2016」選定企業25社を発表しました!」、経済産業省、2016年1月21日。
- ^ 「フジ住宅が経済産業省・東京証券取引所による「健康経営銘柄2016」に選定されました」 (PDF) 、フジ住宅(プレスリリース)、2016年1月22日。
- ^ フジ住宅 (24 June 2016). コーポレートガバナンス報告書 (PDF) (Report). 東京証券取引所 コーポレート・ガバナンス情報サービス. p. 9. 2016年9月5日閲覧.
- ^ 「経営理念・社訓・行動指針」、企業情報、フジ住宅。
- ^ 「トップインタビュー」、経営戦略・方針、フジ住宅。
- ^ 日刊工業新聞掲載広告、2014年5月27日。
- ^ 『教育再生』2015年9月号「ご協力者御芳名」、日本教育再生機構。
- ^ “堺市倫理法人会:会員リスト”. 2015年10月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年6月29日閲覧。
- ^ 「『一般社団法人 今井光郎文化道徳歴史教育研究会』発足に関するお知らせ」 (PDF) 、フジ住宅(プレスリリース)、2014年12月3日。
- ^ 「『一般社団法人 今井光郎幼児教育会』発足に関するお知らせ」 (PDF) 、フジ住宅(プレスリリース)、2014年3月20日。
- ^ a b c d e f g h “参政党・神谷宗幣ファミリー企業の資金源はプライム上場企業会長だった!|参政党の化けの皮②”. 週刊文春電子版 (2025年7月30日). 2025年8月3日閲覧。
- ^ “過去の助成金支給先”. 一般社団法人今井光郎文化道徳歴史教育研究会. 2025年8月3日閲覧。
- ^ “フジ住宅 民族差別の文書、職場で配布「違法」 地裁支部判決”. 毎日新聞 (2020年7月3日). 2025年8月3日閲覧。
- ^ “フジ住宅ヘイトハラスメント裁判 -人種差別的資料及び原告個人攻撃資料の配布差止を追加した控訴審が終結-”. 北大阪総合法律事務所 (2021年8月16日). 2025年8月3日閲覧。
- ^ 育鵬社教科書の採択運動『強要され苦痛』 勤務先を提訴、朝日新聞、2015年9月1日。
- ^ 民族差別:職場で文書配布は精神的苦痛、勤め先に賠償提訴 大阪地裁支部に在日韓国人の40代女性が3300万円求める、毎日新聞、2015年8月31日。
- ^ 「ヘイト表現で人格権侵害」在日韓国人女性、勤務先会社と会長を提訴 大阪・岸和田、産経新聞、2015年8月31日。
- ^ 「憎悪表現文書『勤務先が配布』在日韓国人女性が提訴」、読売新聞、2015年9月1日。
- ^ フジ住宅の在日韓国人社員が会社を提訴―民族差別の文書を社内配布、週刊金曜日、9月11日号。
- ^ 「ヘイトハラスメント裁判を支える会 パンフレット」 (PDF) 、NPO法人民族共生人権教育センター。
- ^ 「訴訟の提起に関するお知らせ」 (PDF) 、フジ住宅(プレスリリース)、2015年10月7日。
- ^ 職場で差別文書配布、賠償命じる 在日韓国人女性が勝訴、大阪地裁 共同通信2020年7月2日
- ^ 職場で「民族差別」の文書配布、フジ住宅に賠償命令…判決までに5年、原告女性が「辞めずに働き続けた」理由 弁護士ドットコム
- ^ 賠償命令後も差別文書を配布 大阪、韓国人女性が差し止め請求共同通信2020年11月10日
- ^ 社内でヘイト文書、二審も賠償命令 フジ住宅の従業員勝訴―大阪高裁時事通信
- ^ 申惠丰「第5章 民族的差別を受けない権利―会社による差別をやめさせるには case5 中国人や朝鮮・韓国人を侮蔑する暴言や文書配布が社内でくり返され、そのような職場環境に苦痛を受けている在日コリアンの社員Eさん」『私たち一人ひとりのための国際人権法入門』影書房、2024年9月30日。ISBN 978-4877145019。
- ^ 「韓国人は嘘つき」など“ヘイト文書”配布のフジ住宅 損害賠償を命じた判決が確定毎日放送
- ^ “フジ住宅、差別文書配布で敗訴 韓国人女性への賠償確定”. 日本経済新聞 (2022年9月9日). 2025年8月3日閲覧。
- ^ “敗訴のフジ住宅「今後も国家のために経営」 原告「会社は変わって」”. 朝日新聞 (2022年9月9日). 2025年8月3日閲覧。
- ^ ブルーリボンバッジ禁止で国賠提訴、法廷内着用めぐり 大阪地裁 産経新聞2020年11月17日
- ^ “アンケート用紙1200枚集める 育鵬社社員働き掛けも”. 西日本新聞. (2016年3月5日). オリジナルの2016年3月16日時点におけるアーカイブ。 2016年6月29日閲覧。
- ^ 「大阪市の教科書アンケートをめぐる新たな疑惑―『育鵬社7割肯定』は動員か」、週刊金曜日、2016年3月8日。
- ^ 「教科書アンケート:『育鵬社支持』似た筆跡 動員の可能性指摘 大阪市」、毎日新聞、2016年2月24日。
- ^ 「フジ住宅(株)が育鵬社教科書の採択運動をし、大阪市教育委員会の審議に反映させた件につき、真相を究明し責任を明らかにする陳情書」、子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会、2016年2月14日。
- ^ “社員に育鵬社教科書の採択運動要請 フジ住宅に改善勧告”. 朝日新聞 (2019年7月16日). 2025年8月3日閲覧。
- ^ 「大阪市教委の教科書巡る住民調査に動員か 育鵬社版採用」、朝日新聞、2016年2月24日。
- ^ “建築中の家に作業員がドラえもんの落書き 「差別的意図ない」の弁明に怒りの声”. ニュースサイトしらべぇ. 2018年12月13日閲覧。
外部リンク
[編集]- フジ住宅株式会社
- 訴訟・裁判に関する当社の主張(上告棄却判決は反映されていない)
- 一般社団法人今井光郎文化道徳歴史教育研究会