大樹駅

大樹駅
駅舎は北海道衛星株式会社が利用している(2013年9月)
たいき
Taiki
十勝東和 (6.2 km)
(4.3 km) 石坂
所在地 北海道広尾郡大樹町寿通一丁目
北緯42度29分18秒 東経143度16分31.2秒 / 北緯42.48833度 東経143.275333度 / 42.48833; 143.275333座標: 北緯42度29分18秒 東経143度16分31.2秒 / 北緯42.48833度 東経143.275333度 / 42.48833; 143.275333
所属事業者 日本国有鉄道(国鉄)
所属路線 広尾線
キロ程 60.6 km(帯広起点)
電報略号 イキ
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
乗降人員
-統計年度-
204人/日
-1981年(昭和56年)-
開業年月日 1930年昭和5年)10月10日[1]
廃止年月日 1987年(昭和62年)2月2日[1]
備考 広尾線廃線に伴い廃駅
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1977年の大樹駅と周囲約500m範囲。右下が広尾方面。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

大樹駅(たいきえき)は、北海道十勝支庁広尾郡大樹町寿通一丁目にかつて存在した、日本国有鉄道(国鉄)広尾線廃駅)である。電報略号はイキ事務管理コードは▲111511[2]

歴史

  • 1930年(昭和5年)10月10日国有鉄道鉄道省)広尾線中札内駅 - 当駅間の延伸開通に伴い、開業[3]一般駅[3]。池田機関庫帯広分庫大樹駐泊所設置。
  • 1932年(昭和7年)11月5日:当駅 - 広尾駅間の延伸開通(広尾線全通)に伴い[4]、中間駅となる。
  • 1936年(昭和11年)9月30日 - 昭和天皇の北海道巡幸。帯広駅 - 大樹駅間でお召し列車が往復運行[5]
  • 1966年(昭和41年)9月:駅前広場拡張整備完了[4]
  • 1976年(昭和51年)12月:駅舎改築[6]
  • 1982年(昭和57年)9月10日:貨物の取り扱いを廃止[1]
  • 1984年(昭和59年)2月1日荷物の取り扱いを廃止[1]
  • 1987年(昭和62年)2月2日:広尾線の全線廃止に伴い、廃駅となる[1]

駅名の由来

大樹町」も参照

所在地名より。開業時は広尾村大字歴舟村の一地名であったが[3]、分村に際して村名(→町名)となった。

駅構造

駅ホーム及び線路跡地

廃止時点で、単式ホーム島式ホーム(片面使用)を複合した2面2線のホームと線路を有する地上駅で、列車交換が可能な交換駅であった。互いのホームは、駅舎側ホーム南側と島式ホーム南側を結んだ構内踏切で連絡していた[7]。駅舎側ホーム(東側)が下りの1番線、島式ホーム(西側)が上りの2番線となっていた[7]。島式ホームの外側1線を側線として有し、そのほか1番線の広尾方から分岐し駅舎南側のホーム切欠き部分の貨物ホームへの貨物側線を1線と、2番線の帯広方から分岐した短い行き止まりの側線を1線有していた[7]

職員配置駅となっており、駅舎は構内の東側に位置しホーム中央部分に接していた[7]。1976年(昭和51年)に、大樹町が国鉄利用債を利用して改築した鉄筋造り[8]の駅舎であった。

利用状況

1981年度(昭和56年度)の1日当たりの乗降客数は204人[7]

駅周辺

  • 国道236号(広尾国道)[9]
  • 大樹町役場
  • 柏林公園 - 大樹町役場近く。敷地内に9600形蒸気機関車59611号機静態保存・展示されている[10]。当線でも活躍した車両であった。
  • 大樹郵便局
  • 大樹駅前簡易郵便局 ‐ 2014年1月14日に移転するが、局名はそのままである。
  • 広尾警察署大樹駐在所
  • 帯広土木現業所大樹出張所
  • 北海道大樹高等学校
  • 大樹中学校
  • 大樹小学校
  • 大樹町国民健康保険病院
  • 大樹町農業協同組合(JA大樹町)
  • 大樹漁業協同組合
  • 雪印乳業株式会社(現・雪印メグミルク株式会社)大樹工場
  • 高野山寺
  • 歴舟川
  • 道の駅コスモール大樹
  • 十勝バス大樹案内所、「大樹コスモール前」停留所

駅跡

廃駅後は駅舎は十勝バスの待合所に再利用され[11]、2002年(平成14年)時点で係員を配置して乗車券窓口と待合所が利用されていた[8]。その後十勝バス大樹案内所が道の駅コスモール大樹へ移転し、2005年(平成17年)10月からは北海道衛星株式会社の本社が入居している[12][8]

構内は大樹町により、「大樹町交通公園」として整備され、1999年(平成11年)時点ではホームとレールが保存され、ホーム側にはブルートレイン色に塗られたオハ62形客車オハ62 76スユニ60形客車スユニ60 301の2両の旧型客車と2両の貨車静態保存・展示されていた[11]。客車は、ライダーハウスとしても使われた。

その後、老朽化に伴い車両は2000年夏頃に撤去され、2002年(平成14年)時点で旧ホーム側は転轍てこの残存を始めとした廃線当時のままの状態、ホームは駅名標の枠のみが残存していた[8]。またレールは撤去され小公園になっていた[8]

また、1999年(平成11年)時点では当駅跡の北約1.5kmの地点にある歴舟川に橋台が残存し、大樹駅方面への線路跡も低い築堤や遊歩道として残存・再利用されていた[11]。2010年(平成22年)時点でも歴舟川の橋台は残存しているが、藪に埋もれている[13]

隣の駅

日本国有鉄道
広尾線
十勝東和駅 - 大樹駅 - 石坂駅

脚注

  1. ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、890-891頁。ISBN 978-4-533-02980-6。 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、236頁。doi:10.11501/1873236。https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  3. ^ a b c 内閣印刷局, ed (1930-10-03). “鉄道省告示 第254号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (1130). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2957597. 
  4. ^ a b 大樹町史編さん委員会 編『大樹町史』大樹町、1969年3月30日、462-468頁。doi:10.11501/9539029。https://dl.ndl.go.jp/pid/95390292023年6月4日閲覧 
  5. ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、78頁。ISBN 978-4-10-320523-4。 
  6. ^ 『鉄道建築ニュース』(1977年4月号・通号328)、鉄道建築協会 p. 30
  7. ^ a b c d e 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)140ページより。
  8. ^ a b c d e 書籍『北海道の鉄道廃線跡』(著:本久公洋、北海道新聞社2011年9月発行)190-191ページより。
  9. ^ 書籍『北海道道路地図 改訂版』(地勢堂、1980年3月発行)12ページより。
  10. ^ 書籍『蒸気機関車完全名鑑 ビジュアル改訂版』(廣済堂ベストムック2011年1月発行)46ページより。
  11. ^ a b c 書籍『鉄道廃線跡を歩くVI』(JTBパブリッシング1999年3月発行)40-41ページより。
  12. ^ “「北海道衛星」が大樹に本社開設” , フォト北海道(写真データベース), (北海道新聞社), (2005年10月2日), オリジナルの2020年3月9日時点によるアーカイブ。 2020年3月9日閲覧。
  13. ^ 書籍『新 鉄道廃線跡を歩く1 北海道・北東北編』(JTBパブリッシング2010年4月発行)88-89ページより。

関連項目

日本国有鉄道 広尾線(廃線)