2020年スペイングランプリ

スペインの旗 2020年スペイングランプリ
レース詳細
日程 2020年シーズン第6戦
決勝開催日 8月16日
開催地 カタロニア・サーキット
スペインの旗 スペイン カタルーニャ州 バルセロナ
コース 恒久的レース施設
コース長 4.655km
レース距離 66周 (307.104km)
決勝日天候 晴(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:15.584
ファステストラップ
ドライバー フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス
タイム 1:18.183 (66周目)
決勝順位
優勝
2位
3位

2020年スペイングランプリ: 2020 Spanish Grand Prix)は、2020年のF1世界選手権第6戦として、2020年8月16日カタロニア・サーキットで開催された。

正式名称は「Formula 1 Aramco Gran Premio De España 2020[1]

レース前

新型コロナウイルス感染症の世界的流行による影響
本レースは本来5月10日に開催される予定であったが[2]新型コロナウイルス感染症の世界的流行により日程が見直され[3]、新たに発表された序盤8戦の日程でシルバーストン・サーキットの2連戦(イギリスGP70周年記念GP)の翌週に開催日が変更された[4]
新型コロナウイルス感染症によりイギリスGPと70周年記念GPを欠場したレーシング・ポイントセルジオ・ペレスは、本レースの開催を控えた8月13日に再検査を受け、陰性が確認されたためチームに復帰した[5]
タイヤ
本レースでピレリが持ち込むドライ用タイヤのコンパウンドはハード(白):C1、ミディアム(黄):C2、ソフト(赤):C3の硬めの組み合わせ[6]
サーキット
トラックリミット規則の厳格化を目指すFIAは、ターン2からコース上を走行せずショートカットしてアドバンテージを得たドライバーに対し、2回目で黒白旗[注 1]を掲示し、それ以上の場合はスチュワードに報告される。コースのいくつかに小さな改修が行われ、ターン8の出口の縁石を延長し、ターン8とターン12のグラベルトラッブが拡大された。また、ターン12にテックプロのバリアを新たに追加し、ターン15からピットレーンの入口まで伸びる金属製のバリアが設置されている[7]

エントリー

前記の通り、レーシング・ポイントセルジオ・ペレスが新型コロナウイルス感染症から回復したため復帰した[5]ウィリアムズはテストドライバーのロイ・ニッサニーがジョージ・ラッセルに代わって初めてFP1を走行する[8]

エントリーリスト
チーム No. ドライバー コンストラクター シャシー パワーユニット
ドイツの旗 メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス W11 メルセデスAMG F1 M11 EQ Performance
77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス
イタリアの旗 スクーデリア・フェラーリ 5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル フェラーリ SF1000 フェラーリ 065
16 モナコの旗 シャルル・ルクレール
オーストリアの旗 アストンマーティン・レッドブル・レーシング 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル RB16 ホンダ RA620H
23 タイ王国の旗 アレクサンダー・アルボン
イギリスの旗 マクラーレンF1チーム 55 スペインの旗 カルロス・サインツ マクラーレン MCL35 ルノー E-Tech 20
4 イギリスの旗 ランド・ノリス
フランスの旗 ルノー・DPワールド・F1チーム 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド ルノー R.S.20 ルノー E-Tech 20
31 フランスの旗 エステバン・オコン
イタリアの旗 スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ 26 ロシアの旗 ダニール・クビアト アルファタウリ AT01 ホンダ RA620H
10 フランスの旗 ピエール・ガスリー
イギリスの旗 BWT・レーシング・ポイント・F1チーム 11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス レーシング・ポイント RP20 BWTメルセデス
(メルセデスAMG F1 M11 EQ Performance)
18 カナダの旗 ランス・ストロール
スイスの旗 アルファロメオ・レーシング・オーレン 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン アルファロメオ C39 フェラーリ 065
99 イタリアの旗 アントニオ・ジョヴィナッツィ
アメリカ合衆国の旗 ハースF1チーム 8 フランスの旗 ロマン・グロージャン ハース VF-20 フェラーリ 065
20 デンマークの旗 ケビン・マグヌッセン
イギリスの旗 ウィリアムズ・レーシング 63 イギリスの旗 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ FW43 メルセデスAMG F1 M11 EQ Performance
6 カナダの旗 ニコラス・ラティフィ
40 イスラエルの旗 ロイ・ニッサニー 1
ソース:[9]
追記
  • タイヤは全車ピレリ
  • パワーユニットのエンジン(ICE)は全車1.6L V6ターボ
  • ^1 - ニッサニーはFP1のみ、ラッセルに代わって走行

フリー走行

FP1(金曜午前)
ホンダはセッション開始に先立って、アルファタウリダニール・クビアトに対し全コンポーネント(全て2基目)、ピエール・ガスリーに2基目のエナジーストア(ES)を、レッドブルアレクサンダー・アルボンに3基目のターボチャージャー(TC)とMGU-Hを投入した。いずれも1基目のPUコンポーネントと併用するための戦略的な交換であり、年間最大基数の範囲内となっているためグリッド降格ペナルティの対象にはならない[10][注 2]
FP2(金曜午後)
FP3(土曜午前)

予選

2020年8月15日 15:00 CEST(UTC+2)

予選結果

順位 No. ドライバー コンストラクター Q1 Q2 Q3 Grid
1 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:16.872 1:16.013 1:15.584 1
2 77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:17.243 1:16.152 1:15.643 2
3 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ 1:17.213 1:16.518 1:16.292 3
4 11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス レーシング・ポイント-BWTメルセデス 1:17.117 1:16.936 1:16.482 4
5 18 カナダの旗 ランス・ストロール レーシング・ポイント-BWTメルセデス 1:17.316 1:16.666 1:16.589 5
6 23 タイ王国の旗 アレクサンダー・アルボン レッドブル-ホンダ 1:17.419 1:17.163 1:17.029 6
7 55 スペインの旗 カルロス・サインツ マクラーレン-ルノー 1:17.438 1:16.876 1:17.044 7
8 4 イギリスの旗 ランド・ノリス マクラーレン-ルノー 1:17.577 1:17.166 1:17.084 8
9 16 モナコの旗 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:17.256 1:16.953 1:17.087 9
10 10 フランスの旗 ピエール・ガスリー アルファタウリ-ホンダ 1:17.356 1:16.800 1:17.136 10
11 5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:17.573 1:17.168 11
12 26 ロシアの旗 ダニール・クビアト アルファタウリ-ホンダ 1:17.676 1:17.192 12
13 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド ルノー 1:17.667 1:17.198 13
14 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン アルファロメオ-フェラーリ 1:17.797 1:17.386 14
15 31 フランスの旗 エステバン・オコン ルノー 1:17.765 1:17.567 15
16 20 デンマークの旗 ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 1:17.908 16
17 8 フランスの旗 ロマン・グロージャン ハース-フェラーリ 1:18.089 17
18 63 イギリスの旗 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ-メルセデス 1:18.099 18
19 6 カナダの旗 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 1:18.532 19
20 99 イタリアの旗 アントニオ・ジョヴィナッツィ アルファロメオ-フェラーリ 1:18.697 20
107% time: 1:22.253
ソース:[11][12]

決勝

2020年8月16日 15:10 CEST(UTC+2)

展開

レース結果

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 Grid Pts.
1 44 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン メルセデス 66 1:31:45.279 1 25
2 33 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ 66 +24.177 3 18
3 77 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス メルセデス 66 +44.752 2 16 FL
4 18 カナダの旗 ランス・ストロール レーシング・ポイント-BWTメルセデス 65 +1 Lap 5 12
5 11 メキシコの旗 セルジオ・ペレス レーシング・ポイント-BWTメルセデス 65 +1 Lap 1 4 10
6 55 スペインの旗 カルロス・サインツ マクラーレン-ルノー 65 +1 Lap 7 8
7 5 ドイツの旗 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 65 +1 Lap 11 6
8 23 タイ王国の旗 アレクサンダー・アルボン レッドブル-ホンダ 65 +1 Lap 6 4
9 10 フランスの旗 ピエール・ガスリー アルファタウリ-ホンダ 65 +1 Lap 10 2
10 4 イギリスの旗 ランド・ノリス マクラーレン-ルノー 65 +1 Lap 8 1
11 3 オーストラリアの旗 ダニエル・リカルド ルノー 65 +1 Lap 12
12 26 ロシアの旗 ダニール・クビアト アルファタウリ-ホンダ 65 +1 Lap 2 12
13 31 フランスの旗 エステバン・オコン ルノー 65 +1 Lap 15
14 7 フィンランドの旗 キミ・ライコネン アルファロメオ-フェラーリ 65 +1 Lap 14
15 20 デンマークの旗 ケビン・マグヌッセン ハース-フェラーリ 65 +1 Lap 16
16 99 イタリアの旗 アントニオ・ジョヴィナッツィ アルファロメオ-フェラーリ 65 +1 Lap 20
17 63 イギリスの旗 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ-メルセデス 65 +1 Lap 18
18 6 カナダの旗 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ-メルセデス 64 +2 Laps 19
19 8 フランスの旗 ロマン・グロージャン ハース-フェラーリ 64 +2 Laps 17
Ret 16 モナコの旗 シャルル・ルクレール フェラーリ 38 電気系統 9
ソース:[13][14]

追記
  • ^FL - ファステストラップの1点を含む
  • ^1 - ペレスは青旗無視のため5秒ペナルティとペナルティポイント1点(合計1点)が科せられたが、5秒ペナルティをピットインで消化しなかったため、レースタイムに5秒加算され、4位から5位に降格した[15]
  • ^2 - クビアトは青旗無視のため5秒ペナルティとペナルティポイント1点(合計4点)が科せられたが、5秒ペナルティをピットインで消化しなかったため、レースタイムに5秒加算された(順位変動なし)[16][17]

優勝者ルイス・ハミルトンの平均速度[14]
200.821 km/h (124.784 mph)
ファステストラップ[18]
ラップリーダー[19]
太字は最多ラップリーダー

第6戦終了時点のランキング

ドライバーズ・チャンピオンシップ
順位 ドライバー ポイント
1 イギリスの旗 ルイス・ハミルトン 132
2 オランダの旗 マックス・フェルスタッペン 95
3 フィンランドの旗 バルテリ・ボッタス 89
4 モナコの旗 シャルル・ルクレール 45
2 5 カナダの旗 ランス・ストロール 40
ソース:[20]

コンストラクターズ・チャンピオンシップ
順位 コンストラクター ポイント
1 ドイツの旗 メルセデス 221
2 オーストリアの旗 レッドブル-ホンダ 135
2 3 イギリスの旗 レーシング・ポイント-BWTメルセデス 63
4 イギリスの旗 マクラーレン-ルノー 62
2 5 イタリアの旗 フェラーリ 61
ソース:[21]

  • :ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ サッカーにおけるイエローカードと同じ警告を示す。
  2. ^ 本年の年間最大基数はエンジン(ICE)/ターボ(TC)/MGU-H/MGU-Kが3基、エナジーストア(ES)/コントロールエレクトロニクス(CE)が2基となっているが、本来22戦の開催を前提としたものであり、開催レース数が14以下(本レースの開催時点で13レースまで予定されている)になった場合は年間最大基数が減らされる。

出典

  1. ^ “Spanish Grand Prix 2020 - F1 Race”. The Official F1 Website. 2020年8月14日閲覧。
  2. ^ “2020年F1カレンダーが承認、日本GPは10月11日に開催。史上最多22戦の過密スケジュールでテストが大幅縮小へ”. autosport web (2019年10月5日). 2020年8月14日閲覧。
  3. ^ “F1が公式サイトから2020年カレンダーを取り下げ「調整がつき次第、修正版を発表」夏開幕を目指すと改めて表明”. autosport web (2020年4月17日). 2020年8月14日閲覧。
  4. ^ “2020年F1序盤ヨーロッパラウンドの日程が正式決定。7月5日開幕、10週に8戦の超過密スケジュール”. autosport web (2020年6月2日). 2020年8月14日閲覧。
  5. ^ a b “2戦欠場のペレスがスペインGPでF1復帰。コロナ検査で陰性”. autosport web (2020年8月13日). 2020年8月14日閲覧。
  6. ^ “2020年F1序盤8戦のタイヤコンパウンドが決定。シルバーストンの連戦には異なるセレクト”. autosport web (2020年6月13日). 2020年8月14日閲覧。
  7. ^ “FIA、F1スペインGPでもコーナーショートカットを厳しく取り締まり”. autosport web (2020年8月14日). 2020年8月14日閲覧。
  8. ^ “ウイリアムズF1、F2ドライバーのニッサニーをスペインGPのフリー走行1に起用”. autosport web (2020年8月14日). 2020年8月14日閲覧。
  9. ^ “Entry List”. FIA (2020年8月13日). 2020年8月14日閲覧。
  10. ^ “F1スペインGP:パワーユニット投入状況…ホンダが3基目投入に一番乗り”. Formula1-Data (2020年8月14日). 2020年8月14日閲覧。
  11. ^ “FORMULA 1 ARAMCO GRAN PREMIO DE ESPAÑA 2020 - QUALIFYING”. The Official F1 Website (2020年8月15日). 2020年8月16日閲覧。
  12. ^ “FORMULA 1 ARAMCO GRAN PREMIO DE ESPAÑA 2020 - STARTING GRID”. The Official F1 Website (2020-08-015). 2020年8月16日閲覧。
  13. ^ “FORMULA 1 ARAMCO GRAN PREMIO DE ESPAÑA 2020 - RACE RESULT”. The Official F1 Website (2020年8月16日). 2020年8月17日閲覧。
  14. ^ a b “Spain 2020 - Result”. STATS F1 (2020年8月16日). 2020年8月17日閲覧。
  15. ^ “DOC 35 - 2020 Spanish Grand Prix - Offence - Car 11 - Ignoring Blue Flags”. FIA (2020年8月16日). 2020年8月17日閲覧。
  16. ^ “DOC 36 - 2020 Spanish Grand Prix - Offence - Car 26 - Ignoring Blue Flags”. FIA (2020年8月16日). 2020年8月17日閲覧。
  17. ^ “DOC 40 - 2020 Spanish Grand Prix - Offence - Car 26 - Ignoring Blue Flags (Corrected)”. FIA (2020年8月16日). 2020年8月17日閲覧。
  18. ^ “FORMULA 1 ARAMCO GRAN PREMIO DE ESPAÑA 2020 - FASTEST LAPS”. The Official F1 Website (2020年8月16日). 2020年8月17日閲覧。
  19. ^ “Spain 2020 - Laps led”. STATS F1 (2020年8月16日). 2020年8月17日閲覧。
  20. ^ “2020 Formula One Spanish Grand Prix - Driver Standings” (2020年8月16日). 2020年8月17日閲覧。
  21. ^ “2020 Formula One Spanish Grand Prix - Team Standings” (2020年8月16日). 2020年8月17日閲覧。
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