OpenMosix

openMosixクラスターの遷移図

openMosixは、ネットワーク上で負荷を自動分散するシングル・システム・イメージ(英語版)(SSI)機能を備えたオープンソースクラスター管理システム[1]‌。

ノードが参加しているネットワークの中からプログラムを速く処理できるマシンを探し、そのマシンに(スレッドではなく)プロセス単位で実行を割り当てる(これをプロセスマイグレーション(英語版)という)。この方法は、特にI/Oが低から中程度の並列アプリケーションを実行する場合に効果がある[2]。openMosixはLinuxカーネルのパッチとしてリリースされたが、あらかじめopenMosixがカーネルに組み込まれたLive CDもリリースされた。仮想化技術やマルチコアCPUの普及にともなってニーズが低下し、2008年に開発終了となった[3]‌。以降、LinuxPMIプロジェクトがopenMosixコードにもとづく開発を継承した[4][注 1]

開発の経緯

当初はGPLライセンスで提供されていたMOSIX(英語版)プロプライエタリソフトウェアへの移行を決定したため、2002年Moshe Bar(英語版)がMOSIXからのフォークとしてopenMosixを開発した。x86アーキテクチャLinuxカーネル2.4.x向けは安定版となったものの、Linux 2.6 カーネルへの移植はアルファに留まった。64ビット(AMD64)アーキテクチャはバージョン2.6以降でサポートされた。

openMosixはGentoo Linuxのカーネルパッチとして配布されていたが、2007年2月に同ディストリビューションのPortageツリーから除外された[5]

2007年7月15日、安価なマルチコア・プロセッサが入手しやすくなり、SSIクラスタのニーズが減少したとして、openMOSIXプロジェクトから2008年3月1日での終息が発表された [6]

2008年3月1日以降、openMosixはリードオンリーのソースコードとしてSourceForge.netでホストされている。

ClusterKnoppix

ClusterKnoppix
開発者 Wim Vandersmissen[7]
OSの系統 Linuxディストリビューション
開発状況 開発中止
ソースモデル オープンソース
初版 2003年5月10日 (21年前) (2003-05-10)
最新安定版 3.6 / 2004年9月1日 (20年前) (2004-09-01)[8]
アップデート方式 APT (利用可能なフロントエンドの一つ)
パッケージ管理 dpkg
プラットフォーム i486
カーネル種別 Linuxカーネル
ユーザランド GNU Core Utilities
ライセンス Debianフリーソフトウェアガイドライン ほか。
ウェブサイト openmosix.sourceforge.net
テンプレートを表示

ClusterKnoppixは、Knoppixを基にあらかじめopenMosixが組み込まれたカーネルを持つLinuxディストリビューションである。

従来、コンピュータ・クラスターを構築するには、手作業でシステムのカーネルパッチを適用しなければならないうえに、個々のコンピュータに対してリモートシェルで電子鍵を設定し、NFS共有を作成したり、hostfileを編集して静的なIPアドレスを設定したりする必要があった。ClusterKnoppixでは、ClusterKnoppixを実行するコンピュータが新たにネットワークに接続されると、自動的にクラスターへ参加できるように設定が行われるようになっているため、手作業による設定がほとんど必要ない。

live CD

openMosixが含まれているLinuxLive CD

  • CHAOS(英語版) とても小さなブートCD。
  • clusterKnoppix(英語版) (保守終了)
  • dyne:bolic(英語版)
  • Quantian(英語版) - clusterKnoppix上の科学技術ディストリビューション。

参考文献

[脚注の使い方]
  1. ^ 2022年末現在、LinuxPMIのサイトは閲覧不能となっている。
  1. ^ “オープンソースのクラスター管理システム”. OSDN Magazine (2006年). 28 December 2022閲覧。
  2. ^ “About MOSIX”. 2022年12月28日閲覧。
  3. ^ Single system image: A survey, Elsevier, (2016), https://www.researchgate.net/publication/295253720_Single_system_image_A_survey 28 December 2022閲覧。 
  4. ^ LinuxPMI, (2022), https://web.archive.org/web/20211127063403/http://linuxpmi.org/trac/ 28 December 2022閲覧。 
  5. ^ Gianelloni, Chris; Kowarsky, Mark; Berkholz, Donnie; Black, Daniel; Pettenò, Diego; Gable, Kieth (2007年2月19日). “Gentoo package moves” (英語). Gentoo Weekly Newsletter (Gentoo Foundation, Inc.). オリジナルの2014年12月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141225024219/http://www.gentoo.org/news/en/gwn/20070219-newsletter.xml#doc_chap6 2007年10月12日閲覧。 
  6. ^ [[モーシェ・バー(英語版)|Bar, Moshe]] (2007年7月15日). “openMosix Project End of Life Announcement”. SourceForge.net. 2009年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年7月18日閲覧。
  7. ^ “ClusterKnoppix”. Slashdot (2003年5月29日). 2019年6月26日閲覧。
  8. ^ “clusterKNOPPIX”. DistroWatch (2017年8月26日). 2018年1月7日閲覧。

関連項目

ウィキポータル
関連ポータルのリンク
  • ウィキポータル FLOSS
  • Kerrighed(英語版)
  • OpenSSI(英語版)

外部リンク

  • openMosix 公式ウェブサイト
  • openMosixWiki

openMosixクラスターのサイト

  • Cluster at National Taras Shevchenko University of Kyiv
  • Hydra
  • MBG Cluster
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